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2011年 12月 15日

田代島猫景色(続編35)港のシロもじゃくん

田代島仁斗田の港には、毎朝大勢の猫たちが集まりますが、その中でも目立つ存在がこのシロもじゃくんです。
なぜ目立つのか?それは・・・「白い・長い・太い」からです。
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黒白と黒ネコが圧倒的に多い田代島の猫たちの中にあって、シロもじゃくんは、全身がほとんど真っ白。黒い部分もあるのですが、黒と言うより薄いグレーで、遠くから見ると白猫に見えます。
それから、毛が長い。白くてふさふさの毛が全身を覆っています。
そして見れば一目瞭然のこの「シッポ」
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見事にボディとツートンカラーになったこの太くて長くてモップの様なシッポ。このグレーのシッポをぴ〜んと立てて歩いてくるので、遠くからでもすぐにわかります。

シロもじゃくんは、まだ1歳ほど。去年の夏頃に生まれたのでしょう。今年の7月に訪問した時には、まだ仔猫のあどけなさを残していました。その時の写真がこちら。
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それが夏の間にすっかり大きくなって、たくましい若ネコに成長しました。

そして、みなさんに是非知って欲しいシロもじゃくんの特徴・・・それは性格。
肝が据わっていて、と〜っても人懐こい。この二つがシロもじゃくんの特徴です。

シロもじゃくんは、かなり体格が良く、さらに毛が長くて大きく見えるので、港でちょこちょこ小競り合いをしているオス猫にときどきからまれます。そんな時、シロもじゃくんは、あまり動じることなく正面から向かい合って、多くの場合は勝っちゃいます。
こちらの写真、ケンカを売ったのは左側の猫なんですが、どちらが優勢かは一目瞭然。
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シロもじゃくん、あまりケンカに反応せず動じないので、もしかしてまだ仔猫だから事の重大さがわかってないんじゃないか?と思ったのですが、時折本気になることもあるので、そうでは無い模様。かなり肝の据わった猫なんですね。もしかしたら、そのうちボス猫候補になるかもしれません。

そしてもう一つ。とてもとても人懐こい。
僕はすっかり仲良くなったシロもじゃくんをよくなでているのですが・・・

あ、シロもじゃくんやってきました。
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なでていると・・・
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ペロペロペロ・・・
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と思ったら・・・
ハグ!
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ハグハグハグ!
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シロもじゃくん、そりゃサカナじゃないぜ、オレの指だぜ。
ひとしきり僕の指をハグハグして満足してまた歩いて行きました。(^^ゞ
こんなに人懐こい猫です。

ちなみにシロもじゃくんには、これまたそっくりな兄弟がいます。
こちら。
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顔の右ほっぺに模様があるのと、黒い部分が濃いのが違い。
それにもまして性格は大違いで、こちらの猫はとても臆病で警戒心が強く、なでることはまずできません。兄弟でも随分違うタイプに育ちました。

シロもじゃくんは、大体いつも港にいます。
田代島に行かれることがあったら、港のシロもじゃくんを捜してみてください。愛想良くハグハグしてくれるかもしれません。(^^ゞ (ルールなのでエサあげちゃダメですよ。)
港のシロもじゃくんをよろしく。
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by naochago | 2011-12-15 23:58 | 田代島猫景色 続編 | Comments(16)
2011年 12月 08日

田代島猫景色(続編 34) 田代島の猫の数は?

田代島には、一体何匹の猫がいるのか?

よく話題になります。また、よく聞かれます。50匹という人もいれば、100匹という人もいる。
特に今年は、震災の影響で一体何匹の猫が被害にあったのか?またその後のシビアな環境の中でどれだけの猫が頑張って生き延びてくれたのか?とても心配でした。
島の漁師さんの中でも数十匹の猫が被害にあったんじゃないか、という声もありましたし、震災後に島に訪問した方の中では猫は50匹以下に減ってしまったのではないか、という見解もありました。
僕が7月に訪問した際には、まあ、支援の打ち合わせが主体であまり猫たちを探して歩かなかったためもあるのですが、出会えた猫はかなり数少なく、これは相当減ってしまったかもしれない、と心配しました。
その後、8月から獣医師のクレスさんと猫達の健康/医療管理のボランティアで毎月訪問し、田代島に住んでいるほとんどの猫たちの状態を詳しく把握することができていますので、この話題に触れようかと思います。

で、何匹いるか?

その前に・・・(^^ゞ
大体の方が田代島の猫の数を見積もる時に、低めに見ているのではないかと思います。
その理由は3つ。

1つ目は、訪問した時期・気候・時間帯によって、あまり猫に会えない時があると言うこと。
例えば、今年の夏頃は、昼間仁斗田の港の周辺にはほとんど猫がいませんでした。例年なら番屋で寝泊まりしている大網漁の漁師さんやおかみさん達がいなかったこと、それから津波ですべてのものが流されて港に何も無かったために猫たちがねぐらにするような場所も無かったためです。
また、夏の暑い時間帯には、猫たちはどこか日陰の涼しい場所にひっこんでしまいますので、歩いている猫に出会える確率はぐっと減ってしまいます。
夏の間の港付近では、早朝の時間帯しか猫を見かけることはありませんでした。
たとえば、この写真は8月後半のある日の午後3時頃の港の風景。何もありません。猫もどこにもいません。
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こちらは同じ日の早朝。漁師さんたちが資材を置いてサカナを網から外す作業をやっているので、猫たちが集まってきています。
結構いるでしょ。全部で何匹いるかな?
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1枚目の写真を見ると、ごみがたまっているラインがあるのがわかりますでしょうか?
実は地盤沈下のために、ここまで海水が浸水してくるのです。
ごみがたまっているところが満潮時の波打ち際。つまりここより海よりには物を置けないのです。朝は岸壁の際までカゴや道具を持って行って作業しますが、終わったらまたキレイに片付けなければなりません。だから、猫が昼寝をできる場所も無かったのです。

ちなみにこちらの写真は11月の上旬。
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ニャンプロのブログでガレキの間で子育てしている姿が紹介されていた「ハチ」とその子供達。秋以降は、こうしたガレキや資材の間で「ハチとチョビゲ一家」や先日記事に書いた「3匹の仔猫」たちが港周辺で暮らしています

さて、2つ目の理由。それは、猫達の行動範囲の違いです。猫によっては、とても行動範囲が広くて、朝は港でサカナをもらい、昼は集落の間を行き来して、夕方は上の方のお宅でご飯をもらっている猫もいます。一部でとても人気があった「ネイチャー」なんかは典型。島の中をあちこち歩き回っていると、「あれ?港にいたはずがこんなところで?」と出くわすことも多々ありました。
逆に言うと、行動範囲がとても狭い猫もいるのです。ご飯をもらっているお宅の庭先からほとんど外に出ず、ほぼ一日そのお宅の周辺のごく限られた範囲で生活している猫もいます。こういった猫は、ほとんど出会う機会がないので、カウントされることが少ないのです。

3つ目の理由。それはそっくりで見分けが付かない猫が大勢いることです。田代島の猫たちの模様は、黒白が一番多く、それから黒ネコ、キジトラ、サバトラで、三毛やチャトラはほとんどいません。(ぱっと見は黒白だけれど、よく見ると茶色の毛が混じっていて、う〜むこれは定義上は三毛になるのかな、という猫は結構いますが。(^^ゞ)
その中で、有名になったジャックや金太郎、あるいは校長先生(ゴンザレス)、港のボス猫だったヒメや人気のねこ太郎ことタロウ、最近人気急上昇中のハナタロウ、の様に特徴がある猫はすぐに区別が付きますが、そっくりで見分けが付かない猫たちは、実際の数よりも少なくカウントされます。例えば上の写真、ハチの仔猫4匹のうち、黒くてもじゃもじゃの仔猫、この写真では全員一緒に写っているので3匹いるなとわかりますが、べつべつに出会ったら区別が付かず、1匹だと思うかもしれません。
僕は以前から、田代島の猫たちのかなりの個体識別をしてきました。また、猫たちの健康管理・医療サポートのために、得意の写真を活かしてデータベース化したカルテを作っているので、現在相当数の個体識別ができています。それでも、「あれ・・?」「え〜っと・・?」「う〜ん・・?」という事は結構あります。(^^ゞ

やっぱり一番難しいのは黒ネコさん。
例えばこの黒ネコ。風邪を引いて鼻水を垂らしています。(ピンぼけ写真でごめんなさい)
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クレスさんが抗生物質の注射をして1ヶ月後に良くなっているかと会いに行ったら・・・
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ちょっと良くなったかな?でもまだ鼻水出ていますね。
と書きましたが、実はこの2枚は別の猫です。気が付いた人はえらい!2枚目の猫、左前足を見てください。爪が出てるでしょ。
実は2枚目の猫は、左前足の人差し指の爪が出たまま戻らなくなって、みんなに「キャプテンフック」と呼ばれている猫なんです。
この2匹とも、同じ所に住んでいて、同じようにここしばらく風邪を引いて鼻水垂らしています。なかなか別の猫だとは気が付きません。(^^ゞ
まあ、このようにそっくりで見わけが付かない猫が結構います。その結果「ダブルカウント」ならぬ「レスカウント」されているわけですね。

まあ、以上のような理由で数が少なくカウントされることもあるのです。
前置きが長くなりました。(^^ゞ 
で、何匹いるか?

2011年秋の段階で、田代島には、約110〜120匹の猫がいます。
これは間違いありません。

9月と10月に、田代島の歴史が始まって以来初めて、猫たちにまとまって集団予防注射をしました。
同じ猫に2回してしまわないように、注射した猫の個体識別を行いながら、一匹一匹・・・大変だったんですよ〜。9月の時はものすごい猛暑で、熱中症になりそうでクラクラしながらでした。
で、予防注射できた猫が約80匹。
その時点でまだ仔猫で若すぎたので予防注射をしなかった猫が約10匹。
それから、どうしても嫌がって予防注射をさせてくれなかった猫が約20匹。
これで110匹です。これらはすべて識別できた猫たちです。
そして、仮にまだ識別できなかった猫が10匹いるとして120匹。
田代島には、現在大体これぐらいの数の猫が暮らしています。(^_^)v

先日も書いた様に、今年の田代島は仔猫に恵まれた年になりました。
また、例年なら11月頃には風邪を引いて具合が悪くなった秋生まれの仔猫を見かけることが多いのですが、暖かかったことと、予防注射や風邪の手当がうまくいったのでしょうか、先日は、ほとんどの「秋ッコ」の元気な姿を見かけることができました。
今週辺りからぐっと冷え込んで冬本番。仔猫も大人の猫たちも、元気に冬を越せるよう、見守っていきたいと思います。

最後にちょっと予防注射の件に触れておきます。
9月10月に、かなりの強硬スケジュールで猫たちの集団予防注射を行いました。その背景には、石巻でパルボが発生したという事情がありました。
石巻に住む友人の愛猫の具合が悪くなり、パルボと診断されたという話を聞いたのが、8月上旬ごろ。まさか?と思いましたが、石巻動物救援センターの現場責任者をされていた阿部動物病院の阿部先生に詳しくお話しを伺ったところ、確かに石巻市内で猫パルボが発生し、相当数の猫たちが病院に運ばれていることがわかりました。
その時点で、僕は青くなりました。パルボウイルスは土のあるところで繁殖し、靴に付着して人間の移動で感染場所を広げます。万が一パルボウイルスが田代島に侵入してしまったら・・・。急いでクレスさんおよびニャンプロのみなさんと協議して、可能な限り早く予防注射を行うことになったのです。
幸いなことに、石巻の猫パルボはその後沈静化に向かい、10月後半の時点では、ほとんど感染する猫もいなくなったとのことです。
ひとまず何よりです。
なお、予防注射や虫下しなどの薬の準備に際して、クレスさんが客員診療をされている白金高輪動物病院の近藤副院長に大変お世話になりました。ありがとうとございました。

終わりに1枚。
小春日和の午後の日射しを浴びながら、ぺったんこですやすや寝ている若ねこさん。
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by naochago | 2011-12-08 03:41 | 田代島猫景色 続編 | Comments(3)
2011年 12月 02日

田代島猫景色(続編 33) 3匹の仔猫

さて、しばし諸事情で更新していなかったこのブログですが、久々に再開します。
再開第1弾は、田代島の「3匹の仔猫」

今年の田代島は、例年になく子宝に恵まれた年になり、初夏から初秋まで多くの仔猫が誕生しました。
まるであの大きな災害、津波の被害によって失われてしまった猫たちの命が生まれ変わり、その意志を受け継ぎ、田代島の猫たちは負けないよ、と挽回するかのように沢山の仔猫が生まれて育ったのです。
港で出会ったこの3匹の仔猫もそんな今年生まれの仔猫。2匹はキジトラで、シッポの長さでかろうじて見分けが付くぐらいのそっくり兄弟、そしてもう1匹は顔の真ん中に一筋の白い線が入った黒白の仔猫。母猫はまだ若い黒ネコのようです。
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黒白くんはとても力強い目をした意志の強そうな子。キジトラくんは、2匹とも逆にちょっと甘えん坊な顔つきをしています。
秋生まれの仔猫ですね。この写真を撮った10月中旬で生後1ヶ月ぐらいでしょうか。
9月に訪問した際には見かけなかったのですが、10月に第2回の予防注射で訪問した際に初めて出会いました。
おかみさんに聞くとつい最近から見かけるようになったとのこと。夏には何も無かった港ですが、少しずつ漁の道具や樽ブイが置かれるようになり、この一家はそんな資材の間を寝ぐらにして港で生活することにしたようです。
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1ヶ月後、11月に再訪問した際に、またこの仔猫たちにも会いに行きました。
お、いました。3匹そろって並んでいます。3匹とも元気そうです。
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あれ? でも何かすこし様子が変です。何かが違います。
しばらくしてわかりました。そう、母猫の姿が見えないのです。
しばらくの間、仔猫たちと時間を過ごして様子をうかがっていたのですが、母親は現れず。
あの若い黒ネコの母親はどうしてしまったのでしょうか。育児放棄してしまったのか。それとも何かあったのか・・・。
この3匹はみなしごになってしまいました。


まだ生後せいぜい2ヶ月から3ヶ月ぐらい。
このぐらいの年齢だと、まだまだ母猫にべったりの甘えん坊の仔猫も大勢います。
でも、この3匹の仔猫には、甘えるべき相手も、守ってくれるべき存在も、いなくなってしまいました。自分たちの力だけて生きていかなければなりません。

朝の港には、大勢の猫たちがサカナをもらいに集まります。
守ってくれる母親のいない3匹の仔猫たちは、大人のオス猫に威嚇されることもしょっちゅう・・・
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(でも安心してください。オス猫は威嚇することはあっても、噛みついたり傷つけたりすることはありません。それにこの威嚇しているオス猫は、あちこちでケンカしてみるもののそんなに強くなくて、あっちで仔猫を威嚇し、こっちで若いオス猫とびびりながらケンカして、と忙しく騒いでいるうちにサカナをもらいそびれるちょっとおっちょこちょいで愛嬌のあるやつです。(^^ゞ)

でも、威嚇に負けていてはサカナを食べられません。
仔猫は威嚇されると逃げながらもすばしこく動き回り、チャンスを見るや果敢に大人の猫たちの間に飛び込んでサカナをくわえ、ダッシュで走ります! 
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まわりの大人の猫たちも「やるな-、こいつ」と一目おいたまなざし。


さらに・・・
以前も書きましたが、田代島の漁師さんやおかみさん達は、猫たちのことをよく見ています。
それぞれの猫の性格や、毎朝サカナをもらいに来る順番もよく知っていて、猫たち全員が食いっぱぐれないように気を配ってくれます。
この3匹の仔猫がみなしごになってしまったことも、もちろん承知済み。仔猫たちにも、ちゃんと他の猫に取られないようにサカナを分けてくれます。
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さっき威嚇してたオス猫は、「えー、えこひいきにゃー!」とにゃあにゃあ抗議しますが、おかみさんには逆らえません。(^^ゞ


そして・・・
やった~。こんなに大きなサカナ!!
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おかみさんが投げてくれた大きなサカナをくわえて誇らしげに歩いて来る仔猫。
たくましくて、とてもしっかりした目をしています。

こうして今朝も無事満腹になることができました。
兄弟で肩を寄せ合って港で生活している3匹のみなしご仔猫たち。
元気に大きくなりますように。
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by naochago | 2011-12-02 04:10 | 田代島猫景色 続編 | Comments(13)